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シリコロイは故関西大学太田鶏一名誉教授が多年に亘る研究の結果開発された高珪素合金です。高珪素ステンレス鋼「Silicon Alloy(シリコン合金)」の意から、「Silicolloy(シリコロイ)」と命名されました。
従来、我が国を始め世界各国の冶金の常識では鉄合金に3.5%以上の珪素(Si)を含有させると、硬さは得られるが脆くなり強靭な材料は得られないと考えられていました。
しかし太田教授は炭素含有量を0.02%以下におさえること、 ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)などを適量配合することにより、
脆化を克服し従来の「鋼」では得られなかった強靭性と耐食性・耐摩耗性・高硬度などの優れた特性を兼ね備える 高珪素合金「シリコロイ」の開発に成功されました。
すなわち、従来の鉄合金は強靭性を炭素(C)によって得られたものを、 シリコロイは珪素(Si)に依存する世界に類例のない画期的な鉄合金です。
シリコロイ鋼のルーツは、故太田鶏一名誉教授が日本製鋼所室蘭技術研究所に在職していた戦時中に、東京大学の俵国一先生の指導の下に始めた珪素の積極的利用に関する研究によって誕生したもので、昭和17年に
日本鉄鋼協会誌、第28年・第9号に「高珪素強靭鋼の誕生」として 学会に発表 されたのがそもそもの始まりです。
終戦に伴う研究所の閉鎖で研究は中断されましたが、昭和25年に関西大学教授として就任後、研究を続けられ、その総合的成果が 「珪素3.5〜7.0%を含有する強靭な鉄・高珪素合金の開発」
となって昭和45年、日本鉄鋼協会誌、第56年・第5号に掲載されました。
珪素は鋼の靭性を害する有害元素とみなされ、鋼への含有量は0.35%以下に厳しく制限されていました。 シリコロイはこの珪素を靭性を賦与する有効元素として
3.5〜7.0%の多量を利用したところが最大の特徴です。
この冶金の常識を破る困難な研究に成功した鍵は、珪素の含有量に見合う適量のニッケル、マンガン、クロム、銅をせしめて A3変態点を750℃以下に下げ、
結晶粒の微細化によって強靭性を賦与 したところにあります。 |
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