粉末積層造形法(3D)

粉末積層造形法(3D)の特徴

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金型レスの試作開発品・少量多品種品として

従来の課題
  1. 鋳鋼品, ロストワックス, MIM 等の場合、木型や金型が必要
  2. 試作開発の期間が長い
  3. 少量多品種の対応が難しい
粉末積層造形方(3D)のメリット
  1. 3Dデータを準備すれば木型や金型は不要
  2. 試作開発期間の短縮
  3. 少量多品種の対応が可能
  4. カスタムメイド品の製作が可能
2

複雑な形状部材を直接造形できる

設計の自由度の向上・歩留改善・新デザイン

  1. 従来の機械加工や鋳造で不可能な形状
    Key Words:金型の冷却孔, 一体成型, 二重管, テーパー加工
  2. 無垢材・鍛造・鋳造などで歩留まりが悪い製品の代替
  3. デザイン次第で新たな付加価値を創出。
イメージ図
3

必要な箇所のみを高機能化・ハイブリッド化

機能性部品の課題とハイブリッド法

  1. 部品の全てを粉末積層合金で製作する場合、コスト面での課題が考えられる。
  2. 必要な箇所のみに積層造形を用い高機能化することでトータルコストを低減する(摺動部分の耐摩耗性・耐焼付き性等)。
イメージ図
  • 基材例:シリコロイA2,シリコロイXVI,ステンレスの丸棒材,鍛造材,板材等
4

熱処理の自由度を利用した新たな設計

時効硬化熱処理のマスキング処理と局部固溶化を併用

  1. 過時効処理(650℃) で時効硬化のマスキング処理を実施。
  2. 高周波熱処理, レーザ熱処理等で局部固溶化。
  3. 時効硬化熱処理(480℃/AC) で局部固溶化部分を高硬度化。
イメージ図

金属積層造形用パウダーの種類

シリコロイA2 パウダー

NEW
材質 鋼種
Fe系
特徴

オールラウンド性:高強度・耐食性・耐熱性・耐摩耗性・耐焼付き性

Fe系の材質でオールラウンド性が必要な場合に有効です。

その他材料の一例

材質 鋼種
ニッケル系 インコネル , ハステロイ
コバルト系 コバルトクロム合金
チタン系 純チタン , チタン合金(Ti-6Al-4V)
アルミ系 6061 , 7075(超々ジュラルミン)
Fe系 SUS304 , SUS316L , SUS630 , SKD61 , マルエージング鋼
  • 現在の市販・開発されている材料の一例です。

粉末積層造形(3Dプリンター)の製造プロセスの一例

1.シリコロイA2 金属粉体の準備(粒度などの確認)

2.粉末積層造形の予備試験(レシピの作成)

装置の仕様、メーカーによって適正条件が異なる可能性があります。

3.粉末積層造形の製品を製作

4.熱処理および加工

  • 1真空固溶化熱処理
    1050℃±20℃/急冷、360HV程度
    大気熱処理の場合は黒色の酸化スケールが付着します。形状的に問題ない場合は大気熱処理でも可。
  • 2時効硬化熱処理
    480℃±10℃×6~8hr/AC、530HV程度
    大気処理の場合は金色~茶色の酸化スケールが付着します。真空熱処理の場合はシルバーの状態になります。
  • 31次加工
    (必要な場合に実施)
  • 42次加工
    (必要な場合に実施)

粉末積層造形品の注意点

  • 装置毎に適正条件を検討する必要があります。
  • ワークサイズに制限があります。
  • シリコロイA2は積層造形後に真空固溶化熱処理が必要です。
  • シリコロイA2は時効硬化熱処理後のワイヤーカットでクラックが発生する可能性があります(固溶化後は可能)。
  • シリコロイA2は生体親和性については未確認です。
  • シリコロイA2の熱伝導率は13.2W/mkとやや低い。
  • シリコロイはステンレスと比較すると融点がやや低く、また湯流れ性が良いため、従来のパウダーと異なる挙動を示す可能性がある(造形に有利な点かもしれません)。

シリコロイA2金属粉末を用いた粉末積層造形法 性能評価試験

レーザ積層造形法で造形した試料において、99%を超える相対密度とマルエージング鋼に匹敵する引張強さが得られることが明らかとなりました。
シリコロイA2には、レーザ積層造形法が適用可能であると考えられます。
以下、その実験の詳細を掲載いたします。

  • 99%を超える
    相対密度
  • マルエージング鋼に
    匹敵する引張強さ

研究の進め方

  内容
1. RP 造形条件検討 造形条件と品質の相関取りから適切な造形条件を絞込む。
2.機械的性質評価 最適造形条件で作製した試料での引張特性を確認する。

成分規格(析出硬化系ステンレスの比較)

(wt%)
成分 C Si Mn P S Cu Ni Cr Mo Fe 特殊
元素
シリコロイ
A2
Max
0.020
3.00
5.00
0.5
1.5
Max
0.040
Max
0.030
0.8
1.2
6.0
7.0
10.0
13.0
0.3
1.0
Bal.
Bal.
Nb
  • エネルギー密度(E)=P/(v×s×t)=31~175J/mm3

RP造形に用いる粉末

  • ※粒径を32~62 μmに揃えるため、粒径が狙い幅を外れている粒子は除外。

RP造形に用いる装置と造形条件

試験装置 EOS製 EOSINT M280
レーザ出力(P) 250~350W
レーザ走査速度(v) 400~1600mm/s
走査ピッチ(s) 0.06~0.16mm
積層厚さ(t) 50μm
レーザ径 100μm
  • エネルギー密度(E)=P/(v×s×t)=31~175J/mm3
粉末積層造形

レーザ走査速度、走査ピッチ、エネルギー密度と相対密度の関係

  1. 高密度を得るには、レーザ出力300 ~ 350 W、レーザ走査速度800 mm/s 程度が効果的。
  2. レーザ走査速度800 mm/s、レーザ出力300 W において、走査ピッチ0.08 mm で最も緻密になる。
レーザー走査速度と相対密度の関係
レーザー走査速度と相対密度の関係
走査ピッチと相対密度の関係
走査ピッチと相対密度の関係

機械試験

試験片の造形
試験片の造形
熱処置条件
ビッカーズ硬さ試験
  • シリコロイA2(鍛造品) 時効硬化熱処理:524 ~ 584HV(48 ~ 52HRC)
  • マルエージング鋼(参考)時効硬化熱処理:50HRC 以上(513HV 以上)
機械試験(最大引張強さ)
  • シリコロイA2(鍛造品)時効硬化熱処理:1700MPa

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