本資料に掲載されている技術情報は一般的な特性を説明する為のもので、
これにより何らかの保証をするものではありませんので予めご了承ください。
【File No.SLD-001】
シリコロイD (オーステナイト系ステンレス)
<耐熱用鋼・耐高温酸化性>
1. はじめに
 シリコロイDは化学成分のひとつにSi(ケイ素)を多量に含有するオーステナイト系ステンレスです。SUS310S同等の熱間強度を有し、耐食性も兼備します。、特筆すべき点は、Siを多量に含有するためインコネルに迫る耐高温酸化性を有し、耐ヒートチェック性(熱衝撃性)に優れることです。
2. 化学成分
(wt%)
成 分 C Si Mn Ni Cr Mo Co Fe
規格 Max
0.030
3.70-
4.50
0.50-
1.50
13.50-
14.50
17.00-
19.00
0.50-
1.50
1.00-
2.00
Bal.
成績例 0.016 3.88 1.08 14.18 17.70 0.98 1.31
Data No.SLD-TSTR2006-MS-2006091001 *化学成分は一例です
3. 物理的性質
 3.1 諸特性
材 質 密度 線熱膨張係数 , ×10-6(1/℃)
シリコロイD g/cm3 20〜100℃ 20〜400℃ 20〜500℃
7.60 15.9 15.8 16.3
Data No.SLABD-NSTR199408-SMT94309S-2006091001
 3.2 透磁率
材質 透磁率 磁性
μ(H=100 Oe)
シリコロイA2 4.278 磁性あり
シリコロイXVI 未測定 磁性あり
シリコロイB2 3.17 磁性あり
シリコロイD 1.002 非磁性
SUS316L 1.003 非磁性
SUS321 1.003 非磁性
SUH660 1.005 非磁性
SCM435 189.658 強磁性
* シリコロイXVIは未測定。磁性はシリコロイA2相当。
Data No.SLA-TSTR1992-ハ927-2006091001
4. 機械的性質
材 質 熱処理 引張強度 耐力 伸び 絞り 硬度
記号 温度 N/mm2 N/mm2 HV HRC
シリコロイD ST 1050℃/WQ 730 260 76 67 203 12
シリコロイB2 ST 1050℃/WQ 800 500 45 83 262 25±5
SUS304 ST 1050℃/WQ 600 280 58 75 215 14
SUS316L ST 1050℃/WQ 560 250 56 77 218 15
SUS310S ST 1100℃/WQ 620 260 57 72 - -
SUH660 AG ST:980℃/WQ
AG:720℃×16h/AC
1060 660 28 58 - -
Data No.SLB-TSTR199605-TR-2006091001 硬度(HRC)はHV硬度を換算しています。
Data No.SLD-TSTR199605-TR-2006091001 *機械的性質は一例です
5. 顕微鏡組織
シリコロイD シリコロイB2 SUS304
オーステナイト系 2相ステンレス オーステナイト系
(オーステナイト、フェライト)
溶体化熱処理 溶体化熱処理 溶体化熱処理
顕微鏡組織 (200倍) 顕微鏡組織 (200倍) 顕微鏡組織 (200倍)
Data No.SLBD-NSTR2000-2006091001

6 耐食性
 6.1 硬度と孔食電位の関係
Data No.SLABDX-SITR2006-2006091001
 6.2 耐孔食性(3.5%NaCl)
ST:溶体化熱処理、SL-A2,SUS630 AG:480℃/AC , SL-XVI AG:450℃/AC
SUS440C,SUS420J2:焼入・焼戻し
Data No.SLABDX-SITR2006-2006091001
 6.3 耐孔食性(塩化第二鉄)
Data No.SLABDX-SITR2006-MD-2006091001
 <関連サイト>
■7. シリコロイD(オーステナイト系) 7.1 諸特性 7.2 高温特性(1) 7.3 高温特性(2)
7.4 耐ヒートチェック特性 7.5 耐高温腐食性 7.6 温度と酸化増量の関係
7.7 耐食性(1) 7.8 耐孔食性

◆ 本ページのキーワード
Material :シリコロイD、シリコロイB2、シリコロイA2、シリコロイXVI、SUS630、SUS304、SUS316L、SUS420J2、SUS440C
SUS310S、SUH660、SUS321、SCM435
特  性 :化学成分、物理的性質、機械的性質、顕微鏡組織、耐食性、透磁率
耐高温腐食性、耐高温酸化性
Technology :Si、珪素

 <Site Map>
項目 サイト名
■1. シリコロイとは? 1.1 What’s Silicolloy? 1.2 析出硬化とは? 1.3 History
■2. 応用製品例 2.1 リップ・精密金型 2.2 連続鋳造用ローラー 2.3 製品例
■3. お問合せ先 3.1 Company Profile 3.2 サービス体制
■4. シリコロイA2(析出硬化系) 4.1 諸特性
  ◆トライボロジー 4.2 摩擦摩耗特性 4.3 耐焼付性
  ◆耐食性 4.4 耐食性(1) 4.5 耐食性(2) 4.6 耐孔食性
4.7 応力腐食割れ性
  ◆耐熱性 4.8 高温特性(1) 4.8 高温特性(2) 4.9 耐ヒートチェック特性
4.10 耐高温腐食性 4.11 温度と酸化増量の関係
  ◆熱処理特性 4.13 時効硬化熱処理特性 4.14 低温時効処理特性 4.15 溶体化熱処理特性
4.16 低温溶体化特性 4.17 再溶体化熱処理特性 4.18 SUS630との比較(1)
4.19 SUS630との比較(2)
  ◆プロセス技術 4.20 熱処理寸法変化 4.21 加工性 4.22 加工プロセス
4.23 局部高硬度化技術
■5. シリコロイXVI(析出硬化系) 5.1 諸特性 5.2 摩擦摩耗特性 5.3 耐焼付性
5.4 耐食性(1) 5.5 耐食性(2) 5.6 耐孔食性
5.7 熱処理寸法変化 5.8 溶体化熱処理特性 5.9 局部高硬度化技術
■6. シリコロイB2(2相系) 6.1 諸特性 6.2 耐食性(1) 6.4 シリコロイB2の耐食性
6.5 高温特性(1) 6.6 耐ヒートチェック特性 6.7 温度と酸化増量の関係
■7. シリコロイD(オーステナイト系) 7.1 諸特性 7.2 高温特性(1) 7.3 高温特性(2)
7.4 耐ヒートチェック特性 7.5 耐高温腐食性 7.6 温度と酸化増量の関係
7.7 耐食性(1) 7.8 耐孔食性
■8. SUS630(析出硬化系) 8.1 諸特性 8.2 SL-A2との比較(1) 8.3 SL-A2との比較(2)
8.4 摩擦摩耗特性 8.5 耐焼付性 8.6 耐食性(1)
8.7 耐食性(2) 8.8 耐孔食性 8.9 熱処理寸法変化
8.10 温度と酸化増量の関係 8.11 応力腐食割れ性
■9. SUS420J2(マルテンサイト系) 9.1 諸特性 9.2 耐食性(1) 9.3 耐孔食性
9.4 熱処理寸法変化 9.5 摩擦摩耗特性 9.6 応力腐食割れ性
■10. SUS440C(マルテンサイト系) 10.1 諸特性 10.2 耐食性(1) 10.3 耐食性(2)
10.4 耐孔食性 10.5 熱処理寸法変化 10.6 摩擦摩耗特性
【New】 2007.6.23 追加
■11. SUS304(オーステナイト系)
11.1 諸特性 11.2 耐食性(1) 11.3 耐食性(2)
11.4 耐孔食性 11.5 ステンレスの耐食性 11.6 摩擦摩耗特性
11.7 耐焼付性 11.8 摩擦摩耗特性(詳細版2)
【New】 2007.6.23 追加
■12. SUS316L(オーステナイト系)
12.1 諸特性 12.2 耐食性(1) 12.3 耐食性(2)
12.4 耐孔食性 12.5 ステンレスの耐食性 12.6 耐焼付性
■13.S55C-Normal(炭素鋼) 13.1 諸特性
■14.表面改質技術 14.1 特殊浸炭処理 14.2 低温窒化処理 14.3 表面改質の耐食性
【New】 2007.4.25 追加
■15.トライボロジー
   (摩擦摩耗特性)
15.1 摩擦摩耗特性(簡易版) 15.2 耐焼付性
15.3 摩擦摩耗特性(詳細版1) 15.4 摩擦摩耗特性(詳細版2) 15.5 摩擦摩耗特性(詳細版3)
15.6 摩擦摩耗特性(詳細版4) 15.7 摩擦摩耗特性(詳細版5)