本資料に掲載されている技術情報は一般的な特性を説明する為のもので、
これにより何らかの保証をするものではありませんので予めご了承ください。
【File No.SUS440-001】
SUS440Cの諸特性(マルテンサイト系ステンレス)
1. はじめに
 SUS440Cマルテンサイト系ステンレスで、熱処理(焼入・焼もどし)により、高強度、高硬度を得られます。
ステンレス鋼の中では最も高硬度を有する鋼です。
耐食性は一般の焼入鋼よりは優秀ですが、オーステナイト系ステンレス、フェライト系ステンレスおよび析出硬化系ステンレスよりは炭素(C)含有量が高いため劣ります。
2. 化学成分
(wt%)
成分 C Si Mn P S Ni Cr Mo Fe
規格 0.95-
1.20
≦1.00 ≦1.00 Max
0.040
Max
0.030
≦0.60 16.00-
18.00
≦0.75 Bal.
成績例 1.04 0.25 0.31 0.021 0.001 - 16.28 -
Data No.SUS440-MS-2006091001 *化学成分は一例です
3. 物理的性質
熱処理
状態
密度
(g/cm3
比熱
(cal/g℃)
比電気抵抗
(μΩcm)
線熱膨張係数
×10-6/℃
熱伝導率
(W/mK)
縦弾性係数
(GPa)
0〜100℃ 20℃ 0〜
100℃
0〜
540℃
100℃ 204
焼なまし状態 7.78 0.11 64 10.2 11.7 24.3
Data No.SUS440-TR-2006091001
4. 機械的性質
 4.1 機械的性質の規格
熱処理 引張強度
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び
(%)
硬度
(HB)
規格 焼なまし 540以上 225以上 18以上 235以下
(HRC22)
Data No.SUS440-TR-2006091001
 4.2 機械的性質の一例
熱処理 引張強度
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
硬度
(HRC)
規格 焼入:1010-1070℃油冷
焼もどし:
  100-180℃空冷
- - - - 58以上
一例 焼入:1060℃
焼もどし:180℃/AC
- - - - 60
Data No.SUS440-TR-2006091001 *機械的性質は一例です
 4.3 焼入れ硬さ
焼入温度 900℃ 950℃ 1000℃ 1050℃ 1150℃
硬度(HRC) 47 53 59 61 42
Data No.SLA-001-T0002
 4.4 焼もどし硬さ
焼もどし
温度
焼入状態 200℃ 300℃ 400℃ 500℃ 550℃ 600℃
硬度(HRC) 61 58 57 56 58 55 43
Data No.SUS440-TR-2006091001
5. 顕微鏡組織
SUS420J2 SUS440C
焼入れ 焼入れ
(1050℃/急冷) (1050℃/急冷)
顕微鏡組織 (500倍) 顕微鏡組織 (500倍)
Data No.SUS420-NSTR2000-2006091001 Data No.SUS440-NSTR2000-2006091001

6 耐食性
 6.1 硬度と孔食電位の関係
Data No.SLABDX-SITR2006-2006091001
 6.2 耐孔食性(3.5%NaCl)
ST:溶体化熱処理、SL-A2,SUS630 AG:480℃/AC , SL-XVI AG:450℃/AC
SUS440C,SUS420J2:焼入・焼戻し
Data No.SLABDX-SITR2006-2006091001
 <関連サイト>
■10. SUS440C(マルテンサイト系) 10.1 諸特性 10.2 耐食性(1) 10.3 耐食性(2)
10.4 耐孔食性 10.5 熱処理寸法変化 10.6 摩擦摩耗特性

◆ 本ページのキーワード
Material :SUS440C、SUS420J2、SUS630、SUS304、シリコロイA2、シリコロイXVI、シリコロイB2、シリコロイD
特  性 :化学成分、物理的性質、ヤング率、機械的性質、顕微鏡組織、耐食性、孔食電位、焼入れ硬さ、焼もどし硬さ
Technology :焼入れ、焼もどし

<Site Map>
項目 サイト名
■1. シリコロイとは? 1.1 What’s Silicolloy? 1.2 析出硬化とは? 1.3 History
■2. 応用製品例 2.1 リップ・精密金型 2.2 連続鋳造用ローラー 2.3 製品例
■3. お問合せ先 3.1 Company Profile 3.2 サービス体制
■4. シリコロイA2(析出硬化系) 4.1 諸特性
  ◆トライボロジー 4.2 摩擦摩耗特性 4.3 耐焼付性
  ◆耐食性 4.4 耐食性(1) 4.5 耐食性(2) 4.6 耐孔食性
4.7 応力腐食割れ性
  ◆耐熱性 4.8 高温特性(1) 4.8 高温特性(2) 4.9 耐ヒートチェック特性
4.10 耐高温腐食性 4.11 温度と酸化増量の関係
  ◆熱処理特性 4.13 時効硬化熱処理特性 4.14 低温時効処理特性 4.15 溶体化熱処理特性
4.16 低温溶体化特性 4.17 再溶体化熱処理特性 4.18 SUS630との比較(1)
4.19 SUS630との比較(2)
  ◆プロセス技術 4.20 熱処理寸法変化 4.21 加工性 4.22 加工プロセス
4.23 局部高硬度化技術
■5. シリコロイXVI(析出硬化系) 5.1 諸特性 5.2 摩擦摩耗特性 5.3 耐焼付性
5.4 耐食性(1) 5.5 耐食性(2) 5.6 耐孔食性
5.7 熱処理寸法変化 5.8 溶体化熱処理特性 5.9 局部高硬度化技術
■6. シリコロイB2(2相系) 6.1 諸特性 6.2 耐食性(1) 6.4 シリコロイB2の耐食性
6.5 高温特性(1) 6.6 耐ヒートチェック特性 6.7 温度と酸化増量の関係
■7. シリコロイD(オーステナイト系) 7.1 諸特性 7.2 高温特性(1) 7.3 高温特性(2)
7.4 耐ヒートチェック特性 7.5 耐高温腐食性 7.6 温度と酸化増量の関係
7.7 耐食性(1) 7.8 耐孔食性
■8. SUS630(析出硬化系) 8.1 諸特性 8.2 SL-A2との比較(1) 8.3 SL-A2との比較(2)
8.4 摩擦摩耗特性 8.5 耐焼付性 8.6 耐食性(1)
8.7 耐食性(2) 8.8 耐孔食性 8.9 熱処理寸法変化
8.10 温度と酸化増量の関係 8.11 応力腐食割れ性
■9. SUS420J2(マルテンサイト系) 9.1 諸特性 9.2 耐食性(1) 9.3 耐孔食性
9.4 熱処理寸法変化 9.5 摩擦摩耗特性 9.6 応力腐食割れ性
■10. SUS440C(マルテンサイト系) 10.1 諸特性 10.2 耐食性(1) 10.3 耐食性(2)
10.4 耐孔食性 10.5 熱処理寸法変化 10.6 摩擦摩耗特性
【New】 2007.6.23 追加
■11. SUS304(オーステナイト系)
11.1 諸特性 11.2 耐食性(1) 11.3 耐食性(2)
11.4 耐孔食性 11.5 ステンレスの耐食性 11.6 摩擦摩耗特性
11.7 耐焼付性 11.8 摩擦摩耗特性(詳細版2)
【New】 2007.6.23 追加
■12. SUS316L(オーステナイト系)
12.1 諸特性 12.2 耐食性(1) 12.3 耐食性(2)
12.4 耐孔食性 12.5 ステンレスの耐食性 12.6 耐焼付性
■13.S55C-Normal(炭素鋼) 13.1 諸特性
■14.表面改質技術 14.1 特殊浸炭処理 14.2 低温窒化処理 14.3 表面改質の耐食性
【New】 2007.4.25 追加
■15.トライボロジー
   (摩擦摩耗特性)
15.1 摩擦摩耗特性(簡易版) 15.2 耐焼付性
15.3 摩擦摩耗特性(詳細版1) 15.4 摩擦摩耗特性(詳細版2) 15.5 摩擦摩耗特性(詳細版3)
15.6 摩擦摩耗特性(詳細版4) 15.7 摩擦摩耗特性(詳細版5)