鋼種

SUS430
SUS430

SUS430はフェライト系ステンレスの代表的な鋼種で、耐食性、耐熱性および加工性に優れ、幅広い用途で使用されています。

一般的には18クロムステンレスと呼ばれています。基本的に焼なまし状態で使用され、金属組織はフェライトを呈しています。

1.化学成分の一例

(wt%)

table.1
成分 C Si Mn P S Cr Fe
規格 ≤0.12 ≤0.75 ≤1.00 Max
0.040
Max
0.030
16.00-
18.00
Bal.
成績例 0.05 0.37 0.35 0.022 0.005 16.80
  • 化学成分は一例です。

2.物理的性質の一例

table.2
密度
(g/cm3)
融点
比熱
KJ/(Kg・K)
比電気抵抗
μΩ・cm3
線熱膨張係数
×10-6/℃
熱伝導率
W/(m・K)
縦弾性係数
(GPa)
0~100℃ 20℃ 0~
100℃
0~
650℃
100℃
7.75 1427-1510 0.460 60 10.4 11.9 25.6 200

3.機械的性質

3.1 機械的性質の規格
table.3
  熱処理 引張強度
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
硬度
(HB)
規格 焼なまし 451以上 206以上 22以上 50以上 183以下
3.2 機械的性質の一例
table.4
  熱処理 引張強度
(N/mm2
耐力
(N/mm2
伸び
(%)
絞り
(%)
硬度
(HB)
規格 焼なまし:780-850℃
空冷または徐冷
451以上 206以上 22以上 50以上 183以下
一例 焼なまし:780℃空冷 508 345 34 76 156
  • 機械的性質は一例です。

4.顕微鏡組織

焼なまし(780℃/AC)
SUS430
焼なまし(780℃/AC)
腐食液:ピクリン酸
(アルコール94cc、HCl5cc、ピクリン酸1g)

Photo 1顕微鏡組織(200倍)

固溶化熱処理(1050℃/WQ)
SUS430
焼なまし(780℃/AC)
腐食液:ピクリン酸
(アルコール94cc、HCl5cc、ピクリン酸1g)

Photo 2顕微鏡組織(400倍)

5.耐食性

5.1 硬度と孔食電位の関係
5.2 耐孔食性